郵便配達人と橋
引越しというのは、ある地点からある地点へと移動することです。となりのトトロのオープニングのシーンは、まさに、その引越しの最中の中間点となる“境”を表しています。
オート三輪に乗って草壁一家が引越しをしてくるときに郵便配達人を追い越すシーンがあります。
この郵便配達人というのは、とても境界的な存在です。つまり、人と人を繋ぐ通信者、いわば境界を往来している存在と描かれていると考えられます。
さらに注目しなくてはならないのが、オート三輪と郵便配達人がすれ違っている場所です。彼らは“橋の上”ですれ違っています。つまり、引越しをしてきた三人の家族は今まさに“橋”という、あちらとこちら、あの世とこの世、現実と非現実、人の国と神の国を繋いでいる境で、境界的な存在の郵便配達人とすれ違ったということです。
これは、どこにでもあるような田園風景の広がる田舎に、都会から三人の親子が母親の病気の療養にも最適な場所に引っ越してきた、というより“境”を跨いできたと読み解くべきなのではないでしょうか?
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